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借地権の更新、基本と注意点

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借地権の更新、基本と注意点

借地権の契約期間が満了する日が近づいていて、借地契約を更新してこのままこの土地に住み続けていきたいと希望していることはないでしょうか。

借地契約を更新するには、地主の承諾がになるところ、通常借地契約を更新する際には、地主に更新料(承諾料)を支払うことがならわしとなっています。 

今回は、借地権の更新・更新料の相場と計算方法・注意点などについてご紹介していきたいと思います。

本記事のポイント

●借地権の更新・更新料を理解しましょう。
●借地権の更新における注意点を理解しましょう。

1.借地権の更新を拒絶することができない

借地借家法および旧借地法においては、地主は正当事由がない限り、借地権の更新を拒絶することができないことになっているのです。

ここで正当事由とは、地主が土地を返還してもらわなければ、借地権者が土地から退去したとしても別段生活に困窮するようなことはない、などの状態のことです。

また、地代の支払いを延滞するなどのトラブルが多発しているような場合も含まれます。

たとえ地主の方から立ち退き料を支払うというような場合でも正当事由にはならないのです。

立ち退き料の支払いは、正当事由を補完する程度のものでしかないと考えられているのです。 

このように借地権においては、借地権者に非常に強い権利が与えられています。

したがって、土地に建物が現存し、借地権者が借地権の更新をしたいと請求をするだけでも借地権は更新されます。

あるいはまた土地を継続して使用しているだけでも、借地権の更新がされたとみなされるのです。 

2.普通借地権における借地の更新期間

借地借家法では、普通借地権における借地の更新期間は、原則として30年となっており、その後2回目の契約20年間、3回目の更新からは、10年に一度契約を更新することのなります。

旧借地法の場合は、鉄筋コンクリート造などの堅固建物の場合は30年、木造などの非堅固建物の場合は20年とされています。

また更新期間を定めていない場合は、堅固建物については60年、その他の建物については30年です。 

ちなみに定期借地権については、契約期間が満了すれば定期借地権の更新というものはなく、定期借地権者は借地を更地にして、地主に返還することになっています。 

3.借地権の更新料について

借地権の更新料については、通常借地契約を締結するときに、その契約書に記載されるのが慣例となっています。

あらかじめ更新料について定めておくことによって、借地契約締結後に地価が上昇した場合に、

地主から地価上昇に見合う更新料を請求されたりして、トラブルになることを防いでいるのです。

バブル期に地価が高騰して、このようなトラブルが多発していたために、借地契約を締結するときにあらかじめ更新料を定めておくことがならわしとなっています。 

このような更新料は、法的根拠があるわけではありませんが、

  • 借地契約書に更新料について記載されている
  • 地主と借地権者が更新料の支払いに合意している
  • 過去に更新料の受け渡しがあった

などの場合においては、更新料の不払いが裁判になって借地契約を解除されたという事例もあります。 

4.借地権の更新料の相場について

借地権の更新料の相場については、諸説入り乱れていますが、代表的な考え方をご紹介します。

(1)借地権の更新時における、その土地の更地価額に2%~5%を乗じて更新料を計算する方法

土地の更地価額は、国税庁が公表している路線価に借地の面積を乗じて求める方法です。

たとえば借地の更地価額が3,000万円であれば、その2%~5%を乗じて60万円~150万円が借地権の更新料になります。 

(2)借地権の更新時における、その土地の更地価額に借地権割合を乗じて、5%~10%を更新料とする計算方法

借地権割合は、その土地の更地価額のうち借地権価額の割合のことで毎年国税庁が公表しています。

借地権割合は地域ごとにA~Gの7ランクに分かれており、A=90% B=80% C=70% D=60% E=50% F=40% G=30%

となっています。

ちなみに借地権割合は、地価が高い地域になるほど高く評価されている傾向があります。

商業地域においてはAorB 住宅地においてはCorD と評価されることが多くなっています。

借地権割合は、国税庁が公表している財産評価基準の路線価図や評価倍率表に記載されています。

路線価の後方にアルファベットで示されているのが借家権割合です。

たとえば借地の更地価額が3,000万円で、借家権割合がCと評価されていたとすると、

3,000万円×70%×5%~10%でありますので、105万円〜210万円が借地権の更新料になります。

(3)地代の年間支払額の4年分~8年分位を借地権の更新料とするという計算方法

いずれの計算方法で借地権の更新料を求めるかは、地主によっても、地域によっても異なります。

つまり、借地権更新のときに地主と話し合いの場を設けて決めていくことになります。 

しかしながら、木造建物から鉄筋コンクリート造建物などのように構造が違う建物へと建て替える場合には、借地権の更新料の相場も異なります。

この場合の借地権の更新料は、更地価額の5%〜10%ほどになります。さらに借地権を売却するときには、5%〜10%の承諾料を支払うことになっています。 

5.法的根拠について

借地権の更新料についても、法的根拠があるわけではありません。

しかしながら地主にとって借地権の更新を承諾するということは、この先何十年間にわたって、

自己の所有地でありながら、自由に使用・収益・処分をすることができなくなるということを意味しているのです。

つまり、地主にとって自己利用の放棄を意味することから、借地権者にとってのメリットは、大きな借地権の更新という経済的利益を享受する対価として、

法的根拠がないにもかかわらず、借地権者は地主に対して承諾料として、借地権の更新料を支払うならわしとなっているのです。 

6.まとめ

借地権の更新料というのは、法的にその支払いが義務付けられているものではありません。

そのため借地権の更新料に関する取り決めが借地契約のなかに記載されていない場合においては、裁判所が更新料の請求を認めなかったケースもたくさんあります。

しかしながら、たとえ借地契約のなかに借地権の更新料に関する条項がなかったとしても、過去に借地権の更新料支払のある場合には、借地権の更新料の支払を命じられることがあります。

長い借地権の歴史のなかでは、ほとんどの場合、慣例として借地権の更新時には、更新料が支払われてきています。 

現在における借地権のほとんどは、旧借地法に基づいて設定されたものです。

はじめは権利金もなく、地主からこの土地の上の家を建てて住んでもいいですよというように、

その地域における人間関係などから自然発生的に設定されたものが多くあるのです。

その後借地権に関する法律が改正を重ね、幾多の変遷を経て地主の権利が次から次へと縮小されてしまったという経緯があります。

相続や贈与の際における財産評価では、自用地の所有権評価額に対して借地権割合が60%や70%というように評価されて、

地主の権利は3律0%から40%、商業地域などにおいては20%のところもあります。

さらに借地権者が借地の上の建物を他人に賃貸すると、地主が受け取る地代が5万円程度であるにもかかわらず、賃料として30万円も50万円も受け取っていたりします。

したがって逆説的でありますが、地主の立場を守るために、借地権の更新時や借地権者が建て替えたり増改築するときに承諾料を要求するわけです。

借地権者と地主はお互いの立場を理解し合っていかなければなりません。

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